2009年5月28日

就職?!

古い知り合いから久々に電話がかかってきた。
「今、再び就職する気はないですか?」
彼はもちろん、私が会社を辞めたこと、ひとりで仕事を始めたことをよく知っている。

聞けば、某メーカーの宣伝部長に、という話だった。
退社して1年半もたつのに、そういうお話をいただくこと自体、とてもありがたいお話だ。特に今のような厳しい時代に、日々や将来の不安もなく定期的なお給料をいただけるということが、いかに価値のあることか、今の私にはよくわかる。
けれども、残念ながら私にとってはまるで現実感のないことのように思えた。決まった時間に出勤し、会社のビジョン・方針のもとで働く、というごくあたりまえのことが、もうできそうにないと思った。

いったいなぜなんだろう。それが自分でもよくわからない。たぶんその理由こそが、これからの私の仕事の道しるべなのだろう。

2009年5月21日

食肉の市場を見て

取材で、東京・品川にある食肉市場を訪れた。
そこでは、食肉用の牛と豚がセリにかけられている。ちょうど牛のセリのところをおじゃますることになった。

セリは、生体ではなく、枝肉になった状態でセリにかけられる。
枝肉とは、皮、頭部、内臓などを除去してから、これを中心線に沿って背骨のところから2分割した半丸状のもの。だから半身というのだが、半身ふたつが1対で1頭分だ。

上から吊るされた1頭分の半身(二つセット)が次々とやってくる。
枝肉には、どれも半身の一方の6番目と7番目の肋骨の間に切り込みが入っている。この切り込みから、肉の様子、つまり脂肪交雑や肉の光沢、しまりなどがわかるのだ。だから仲買人はその切り込みの間をじっくり見ている。懐中電灯で照らしてみている人も多い。
また、枝肉の表面には等級が刻印されている。A、B、Cの等級がある(それそれがさらに5段階に分かれる)のだが、吊るされている枝肉の刻印には、Aが多く見受けられる。

国産牛肉は、和牛と呼ばれるものとそうでないものがある。和牛は高価なので、数としてはそうでないものの方が、はるかに多いはずなのだが、実際にその日セリにかけられた品種を見ると、圧倒的に和牛が多かった。
聞くと、いいものは東京市場で売れる、東京市場でないと高く売れない、ということだそうだ。
中でも高級品は超高級品。肉だけで1人前程度の量で1万円以上は当たり前。おそらく高級料理店向けの食肉として流通していくのだろう。一般庶民の口に入ることなどありえない。

水産業界では、おいしいものは築地に集まる、と言われるが、食肉も結局は東京に集まるのかもしれない。

それにしてもこれを実際に召し上がるのは、一体どこのどのような方なのでしょう?!

2009年5月16日

自らを活性化するために

決してヒマなわけではないが、なんとなく自分自身が停滞している。
4月下旬から、そんな感じを抱えていた。
このままではいけないと思い、かつての友人にコンタクトしたみた。
その友人は、経営戦略やマーケティング、財務、などを包括的に学んだビジネススクールでのクラスメイトだ。 彼も私も、退社して自由の時間があった時に勉強していた。
卒業後、その友人は自らが社長になって仲間とともにベンチャーを立上げた。私は個人事業主(フリー)として活動をスタートした。彼と私は、過去の経験も業界も職種もまったく違うのに、どこかで同志的な意識があった。
その後に訪れたリーマンショック。リーマンショック直後はまだよかった。政府でさえ楽観的だった。しかしその3か月後、6か月後になって、じわじわと影響が出てきたのだ。どこの企業もとりあえずすべての予算は凍結。彼の会社もその影響を確実に受けていた。
その友人の会社を、卒業後初めて、今の時期に訪ねたところ、会社の調子がすこぶる順調というわけではなかったが、友人の表情は明るかった。前に進む、チャレンジしている、そう実感できる日々が、彼を元気にしているようだった。 彼のことばからはエネルギーがあふれていたし、私は、勇気を持とうとしない自分を、なんだかひどく恥ずかしく感じた。

あぁ、自らの停滞感は、結局は自分自身だ。挑戦しようとしない、だから前に進まない、それが停滞感の源なのだ。
それがよくわかったので、私はこれから確実に前に進みます。

2009年5月13日

教育による食事習慣の改善

昨日に引き続き、服部先生の食育関連の話を。。。

服部先生の専門学校では、入学時に1週間の食事日記をつけさせるそうだ。
そして卒業直前にもう一度、1週間の食事日記をつけさせる。
さて、その食事の改善率はどの程度か???


当然、しかるべき教育を施すわけなので、それなりの成果が期待できるはずだ。

正解は・・・・改善率わずか6%。


ペーパー栄養士である私も、かつて栄養学を学んだ大学生の頃、
入学してすぐに食事日記をつけさせられた。
面倒で嫌なものだった。
しかし、大学1年のクラブ合宿で民宿に宿泊した際のことだ。
2・3年生の先輩が宿に着くなり、野菜や果物、乳製品の買い出しに行くのだ。
民宿の食事は栄養が偏るから、と。
翌年2年生になった私は、同じような行動をして1年生を驚かせた。

入学式の日に学長から
「卒業する頃には食事行動も食物選択も確実に変化しているはずだから覚悟するように」
と保護者向けに断言された、と私の母は今でもその日を思い出して笑う。

私の頃には、学校が違うとは言え入学してわずか1年で、食行動が変わっていたのだ。
時代の変化なのか、学校の違いなのか、それとも・・・・・。



わずか6%の改善率なら、まさに学びが机上の空論そのものである。

2009年5月12日

家庭力?

美味しい豚肉で数年前から話題のTOKYO-X 。
総会と合わせて、10周年記念講演会があった。
出席者の一人、服部幸應先生の話でいいくつかおもしろい内容があったので紹介したい。
服部先生と言えば、今は料理評論家にとどまらず、食育提唱者としての位置づけも大きい。
その主張は、
「(食べ物を)選ぶ力」
「(食べ方など食の伝承の源の)家庭力」
「(地球規模でみた)食糧事情」
を3本柱とする。

中でも家庭力のエピソードは興味深かった。
かつて誰もが知っている桃太郎や赤ずきんちゃんなどの童話だが、今の大学生で知っているのはわずか1/3。読み聞かせなど親から受け継がれてきたはずのお話のはずが、それがなくなっているのだという。
テレビを見ながら食事をするという行為は、日本は世界的に見て驚異的に多いそうだ。欧米ではテレビをつけっぱなし及びつけたり消したりを含めて、全体の1/3以下というのに対して、日本は60%以上。しかも欧米は、教養のない層がそれに当たるという。
かつて大学の講義をすると、受講者たちは講師の話にうなづくなどの相づちを打つ人が相当数いたのに、最近の大学生は相づちを打つ人がいないことも関係しているのかも、という話があった。学生は聞いてるんだか聞いたいないんだかわからなくて講義をするのが嫌になるそうだ。

そもそも親の務めというのは、ヒトも動物も子どもがひとりで生きていける(食べていける)ようにさせることなのに、それがなされていないことがなげかわしい、という。
まさに親の助けなしに一人で生きていけるようになる、これこそが大人になるということなのだと思う。そう考えると、「食育」ではなく、「生育=生きるための教育」なのかもしれない。
しかし自分自身を振り返ると、私が実際に大人になったのは20歳ではなく、30歳を超えてからのような気がする。

服部先生のお話も、確かに「食」に起因している面はあるだろうが、どの話も決して食育に限った話ではないような気がする。

私がかつて大学性の頃、まだ「食育」という言葉はなかった。しかし卒業研究で入った研究室の教授が「食教育」を提唱し、「食べ方」について研究していた。今の食育の礎だ。その教授が、当時誰も注目していなかった個食に注目していた。その考え方は、大いに共感できる。

最後に、食料需給率の問題として国内の需給率はよく議論されるが、都道府県内の需給率をみると、東京都はわずか1.2%。最も高いのは北海道で190%。関東でも千葉、埼玉、茨城などは70~80%。
自分自身の食料購入を考えると、うなづける話でもあり、耳が痛い。

蛇足だが、講演で次々と出てくる各種データ、数字・・・。服部先生は何のメモを見ることなくすべるように話していた。こちらがメモできるようなスピードではなかった。食事中のテレビ視聴は5~6カ国、都道府県別食料需給率は7~8件など。話の内容もさることながら、その記憶力にも感服しました。

2009年5月3日

ダイエット本発売

昨年末から関わっていた本が、いよいよ発売となりました。

いわゆるダイエット志向者のための実用本です。

世の中のダイエット本やカロリー本はどうも説教くさくて、
わかっちゃいるけど、好きなもの食べるのは我慢するだなんて嫌だし、
一方ですべてしっかり手作りするのを前提としているのなんて、
今の時代、非現実的だなあ、と常々思っていたので、
そうじゃない形の、ダイエット志向者のためのカロリー本を
作りたい、と思ってスタートしました。

基本は、世の中に出回っている市販食品=インスタント食品などの
加工食品やペットボトルのドリンク、缶ビールなどのアルコールは
もちろん、お菓子やアイスクリーム、コンビニ系のサンドイッチなどの
他、全国チェーンの外食などなど、日常生活で口にする機会の多いものの
カロリーをずらりとご紹介する本です。
似たような本はいくつも出ていますが、この本では商品はすべてカロリーが
低いものから順に掲載し、しかも1人分の量にこだわって掲載してあるので
とてもわかりやすくなっています。
さらにダイエットのためのアドバイスも網羅し、かなり実用的な本に仕上がりました。
我慢しないでダイエットする、という方針を崩さずに構成したので、
きっと多くの人のお役に立てるはずです。

今回ご協力いただいた会社さんとお話しする中で、
日本の食品会社は、本当にカラダにいい食べ物を作るために努力していることが
改めてよくわかったのは大きな収穫でした。