2009年7月10日

広告のチカラ

広告効果が薄れてきた、広告が効かないと言われて久しい。
広告代理店勤務が長く、今でも広告の周辺で仕事をしている私にとっては、さびしい話だ。
広告と言えば、テレビ・新聞・雑誌などのマス媒体が中心だが、今や多くの人の「通勤」行動をキャッチする交通媒体は見逃せない。働く女性が増えたことも追い風になっているはずだ。
駅の展開で、「柱巻き」という手法がある。駅の太い柱の周りをポスターがぐるりと囲む、あの形だ。地下鉄なら銀座や表参道など、いわゆる「オシャレ」と言われる場所でよく行われる。駅貼りの大型ポスター全盛以降、さらにインパクトを求めた結果だが、実際にきれいなビジュアルが多く、見るだけでも楽しい。私は通勤で表参道を経由することもあり、比較的よく駅地下の柱巻きをよく見ている。
少し古い話だが、先週の数日間、表参道の地下は人であふれかえっていた。何をするでもなく、うようよと幅広い年代の女性がいる。そこで記念撮影をする人たちも少なくない。彼女たちのお目当ては柱巻きだった。韓国の5人組アイドル「東方神起」だ。柱に大写しになった彼らの顔があったのだ。ただそれを眺める人、記念写真を撮る人、見ながらおしゃべりする人・・・・。日を追うごとに見物人(?)女性は増え、「立ち止まらないでください」と誘導する警備員まで出始めた。
「東方神起」新譜プロモーションであろうと思われるが、広告を見にこれだけ人が集まる、ということが凄い。広告効果が薄れている今、この柱巻きが、その後の新譜売上にどのように効果を出すのか、気になるところだ。