2010年1月13日

世論と政策

今年になって、住宅版エコポイント制度に関する話題を耳にすることが多くなった。省エネに寄与するエコリフォームに対して、エコポイントが付与されるというものだ。

昨年、家電業界が厳しい不景気の中でも省エネ家電で活況を呈したこともあり、その続編でもある。鳩山政権で大幅なCO2削減を掲げたこともあり、住宅(周辺含む)業界は、今年、この制度をきっかけに各社大きなプロモーションを仕掛けてくるだろう。
私も、若干それに関わる仕事に関わったりもした。

環境問題が叫ばれ始めてから、いったいどのくらいたつだろうか。

かつては環境に配慮したことを訴えても、どうしても価格が高くなって、売上にはなかなかな貢献できなかった。かなり環境意識の高い人だけしか受け入れにくいもので、ものづくりの過程で環境負荷を減らすことで価格転嫁することは、なかなか一般消費者に受け入れられにくかった。当時、環境意識の高い人はマイノリティだった。
そんな頃から今の時代、あれから10年くらいたつのだろうか・・・? 今や環境への取り組みは当たり前、そうでないことは恥ずかしいくらいだ。環境意識の希薄な人がマイノリティになった。先日、自動車販売台数ベストテンがニュースになっていたが、当然のことながらハイブリッドカーの台頭が目覚しく、かつてのランキングと比べて、車種は様変わりしている。これは、世論だけでなく税制など政治の力が大きかった。

ある時期、マイノリティだったものがマジョリティになるために、税制やエコポイントなどのような政策、政治方針が大きなきっかけになる。世の中の環境意識が高まり、誰もが地球に優しい暮らし方を志向するのはすばらしいことだ。環境に真摯に取り組む鳩山政権は評価したい。
けれども、もしもそういう政策がなく、世論(PR等を含めて)だけの力でここまで意識を変えることができないのだとしたら、コミュにケーション活動を仕事にする私にとっては、少し残念な話でもある。