2011年6月24日

東日本大震災の時には、多くのメーカー工場が被災した。工場自体が破壊され、なかなか復旧がままならなかったところはもちろんだが、それ以外にも、工場は被災していなくても原材料が入手できずに製品化できなかった企業、物流が滞って工場稼働ができなかった企業、など、産業界では大きな影響があった。
今日お目にかかった方は全国に工場がある大手企業の営業さん。震災で自社工場が被災したことに加え、原材料も入手できず、素材仕入れにあたっては、海外からの供給ルート確保に奔走し大変だった会社の一つだ。たまたま見積依頼があってお目にかかったのだが、一部の原材料確保はまだまだ不安定であることがわかった。
震災から3カ月以上がたつが、震災前と同じ状況にはまだ戻ってはいない。原発の事故が、その状況をさらに深刻にさせている。原発事故さえなければ、今秋中にはかなり元通りまで行ったはずなのに・・・という話は実際あちこちで聞く。節電の影響で工場をどこまで動かせるのか。効率をどう確保するのか。今日お目にかかった方も同様で「産業界への影響は大変なものだ。」とおっしゃった。
今日、埼玉県熊谷市の気温は39度を超えた。6月にこの気温は観測史上初めてだと言う。今年の夏は暑そうだという長期予報も出ている。今の状況を考えると、社会はさらなる節電が求められるのは間違いない。企業にとっては、確かに節電の影響は大変なことだろう。私たちは今まで、そのエネルギーの重要性をあまり意識してはこなかった。原発事故が起きたらどうなるか?電力が足りなくなったらどうするか?など、想像もしないままジャブジャブと電気を使い続けてきたのだ。経済の発展、豊かさ(モノ・ココロ)、安心・安全、などいろいろなものをクリアして初めて「幸せ」がある。「幸せ」の定義は人によって多少違うけれど、誰でも人は常に「幸せ」を求めて生きているはずだ。
私の存在は、もしくは私の仕事は、「幸せ」のためのものになっているか、社会の「幸せ」のために役立っているか、企業も個人も、これからはそんなことが共通の物差しになって行くような気がする。