2011年8月8日

クールビズのカジュアル化はどう変わるのか?

その昔、「省エネルック」と言われる半袖のスーツが登場した。国をあげての大々的なPR だったが、そのファッション性はかなり「?」で、全く国民の賛同を得られず、定着するはずもなかった。
あれから10年以上がたち、今度は「クールビズ」と呼ばれてじわじわと浸透しつつあったところ、今年は節電事情も加わり、一気に一般化した。6月からの大変な暑さの中、通勤時間帯の電車内でネクタイを見ることはほとんどなくなった。7月に入ったらまったく見なくなった。通勤するサラリーマンの服装は、単にジャケットなしのビジネスシャツとビジネスズボンという出で立ちの人は少ない。上はポロシャツなど、、下はコッパンなど、実にカジュアルだ。7月に入って「クールビズ」や「スーパークールビズ」のことがしばしばニュースになった影響も大きいのだろう。
実際、クールビズ需要がそれなりに伸長したのは確かだが、一方で紳士服業界では、6月に夏物スーツの不振にあえいでいるという話も聞いている。
60歳手前の、おそらく会社では上のポジションにおられるであろう人が、ポロシャツにコッパンで、トートバッグを肩から提げて通勤している様子を日常的に目にすると、果たして秋が来た時に、どうなっているのだろうと思ってしまう。カジュアルな服装は、楽ちんだし、肩がこることもない。そういう楽な形に慣れた私たちは、再び前と同じようにきちっとした形に戻れるのだろうか?
秋を超えれば寒い冬になる。今年は節電でウォームビズだ。セーターやニットなどカジュアルなものが次々出てくるだろう。一部の人を除いて、全体的にカジュアルな服装への流れが始まっているのかもしれない。仮にそうだとしたら、紳士服業界のスーツ不振は、この夏だけの話ではとどまらなくなる。