2014年11月24日

初老って何歳から?

昔、仲間うちで、40歳を超えた人たちの塊りを冗談で「初老部」と言っていた。
その仲間とは、私が30代前半からのつきあいだった。
仲間は仕事も年齢もバラバラで、下は10代から、上は40代までがいた。
つきあいが長くなるうちに、それぞれが年齢を重ねるようになる。
いわゆる高齢化なのだが、自分自身も30代から40代になった。

ある時、どういうことでそういう話になったのかは思い出せないが、メンバーの中の40歳以上の何人かを称して「初老部」と呼ぶようになった。
ちょうど私が40歳を超えた頃だ。
つまり私は初老部設立メンバーだったことになる。

今の私から見れば、40歳などまだまだ若いヒヨッコだが(苦笑)、当時は40歳をそれなりの年と感じていたのかもしれないし、我ながら結構な年になったものだと思ったのかもししれない。

まあ、半分以上は冗談で言ってただけではあるのだが、それにしても「初老」とは一体何歳からなんだろう?!

高齢者とは、定義はさまざまではあるらしいが、一般には65歳以上のことを言うらしい。
その中でも、前期高齢者と後期高齢者があり、75歳以上が後期高齢者というのは、よく知られている通りだ。

では、初老は?
調べてみると、昔は40歳を初老と呼んだらしい。
けれども今は、60歳ぐらいからを『初老』と考える人が多いようだ(NHK放送文化研究所調査2010年)。
なんだ。冗談のつもりで「初老部」と呼んでいたけど、ふざけるどころか、昔からの本来の意味では、大真面目に正しかったわけだ。
それも、10代の意見では「初老」は平均48.8歳。50代の意見では平均59.1歳と、幅が出るのも面白い。

誰もがその年齢に近づくと、いやいやまだまだ、先のことと考えるようになり、知らないうちに初老の定義を先延ばしにしていく。

そう言えば、70歳前後の方々を対象にした終活関係の講座で参加者の皆さんにエンディングノートを書くことについてお尋ねすると、「いつかは書こうと思うけれど、そのうちに。」と考えている人が多いことを思い出す。
書こうとは思っているのだ。でもまだ先でいいだろうと思っている。
ほとんどの人がエンディングノートを知っているが、書いている人はわずか2%と言われている。

人は、「老い」の自覚を先延ばししたいのだ。
いつまでも若い頃の記憶やイメージが残っていて、なかなか現実を直視していない、直視できないということもあるのだろう。

かつては冗談で初老部と言っていたけど、どうやら私は今、リアルに初老になろうとしている。
微妙な女ゴコロとしても、やはり自分が実は初老だったとはなかなか認めにくいところではあるが、それでも私は随分前に仲間内の「初老部」に入ったので(笑)、意外にすんなり受け入れられそうだ。