2014年12月16日

ご用件をお伺いします。ご用件はなんですか?

ネット環境や機器の充実で、どこででも仕事ができるような時代になった。
おかげで、私はいろいろなものを持ち歩くようになっている。
携帯電話、wifi、iPad、パソコン、資料、手帳・・・これらを毎日持ち歩くのは大変だ。
考えてみると、今ではまずメール連絡が中心で、携帯電話で話す時間が激減している。

私は今までずっと、ガラケー派でこだわってきたけれど、通話時間が減ってきたのでそろそろスマホの方ががいいのか検討を進めていた。

実際のモノを見てみようと、携帯ショップに入るとすかさず、
「ご用件をお伺いします。ご用件はなんですか?」
と聞かれた。
見に来た段階なので、まだ「ご用件」にはなっていない。
ちょっと見るだけ、というのはなんとも気まずい。



「ご用件をお伺いします。」
・・・・伺わなくてもいいんですけど(私の心の声)。

「ご用件はなんですか?」
・・・・用件ってほどのものじゃないので、ちょっと店内を見させてください(私の心の声)。

お店の人は、おそらく顧客サービス向上のために聞いてくれるのだろうが、私にとっては、ちょっと放っておいてほしい。
わからなければこちらから聞くので、と思う。
でも、あまりそうは言えない。
せっかく声をかけてくれているのに、悪いかなと思うからだ。

銀行でもそうだ。
普段の銀行との関わりはATMだけど、窓口とのやりとりが必要で店舗に入るとすかさず、
「ご用件をお伺いします。ご用件はなんですか?」
と聞かれる。
用件を言うと該当する整理券を取ってくれて、それを渡されて
「お待ちください」だ。

時には、あまり言いたくない用件のこともある。
いくら言ったところで、どうせこの人とは違う人にまた説明しなきゃいけないのになぁと、面倒な気持ちになることもある。

携帯ショップもそうだけど、あれはいったいなんのためにやってるんだろう。

整理券くらい自分で取れる。
用件があれば、こちらから聞ける。

来店客をさばきやすいように振り分けるためというのなら、それは顧客サービスではなく、お店都合だ。
無意識にそういう感じがするから、私はそれに抵抗したくて放っておいてほしいと感じるのかもしれない。

もしも顧客サービス向上のためであるなら、お客さんを放っておいてくれればいいし、何か用がありそうな人や戸惑っている人がいたら、すかさず声をかけてくれれば、心配りのある優しいお店だなと感じられるのだけど。

そういう店舗であってほしい。
いろんなお店で、すかさず聞かれるたびに、私はいつもそう思う。