2015年1月7日

ネット上の自分、いつまで生かす? いつまで生き続ける?

今、ネット上に自分で書いた自分情報がある人は、数年前に比べてとても多くなっている。

前々から気になっていたことではあるが、朝日新聞デジタルの「死後もネットに漂う自分の痕跡 消去を託せる相手は…」を読み、改めてネット上の自分情報を考えてみた。

私がこのブログを書き始めたのが6年前。
他にもこんなブログを書いている(いた)し、ずっと前には会社を辞めるまでのカウントダウンブログなんていうのも書いていた。
mixiやtwitter、Facebook等のSNSもある。
さらに、Webサイトを3つ持っている。

上記以外にも、だいぶ前に少しだけ書いたブログもあったが、今ではその名前もパスワードもわからない。
張本人の私が今では書くことはおろか、見ることも探すこともできない。
自分の頭の中では消滅しかけているのに、ネット上にはたぶん・・・・ある。

他の人やメディアが自分のことを書くのは別として、これらの自分で書いた情報を管理しているのは自分だ。
基本的には自分でないと、消したくても消せない。
消すかどうか決めるのは自分だ。

数年前に亡くなった知人は、今でもネット上で笑顔で微笑む。

彼はいち早くGoogleにプロフィールと写真を掲載していた。
まだFacebookの日本語インターフェースがなかった頃で、ネット上に出していることが珍しいくらいだった。
その後、その画面はいつのまにかGoogle+に変わっていた。
無味乾燥だったプロフィールページが、今では彼の写真とともに出身地や学校、当時の勤務先がきれいに表示されている。
彼がネット上に出していたのはたぶんGoogleだけ(今でているのはGoogle+だけ)だろうが、実際のところはわからない。

彼は、我が家にとって大切な兄貴分で、家族のようなつきあいをしていた。
私はネット上で会えてうれしいけど、誰も何もできないからたぶんずっとこのまま。
これからもずっとここにいる・・・。

当時に比べて、ネットの上の情報は今、爆発的に増えた。
何百倍か、何千倍か、それ以上だ。
私自身がそうであるように、一般的に個人一人一人のネット上情報も、おそらくすごく増えているだろう。
たとえば今、私が事故で突然この世から消えたら、現段階では私が書いたネット上情報はたぶん彼と同じようにずっとネット上で生き続けることになる。
もしかしたら永遠に?

有名人が亡くなった場合は、ブログなどそのまま保持していつまでもファンがコメントを投稿し合うこともあるし、Facebookでは、家族がタイムラインに亡くなったお知らせを投稿する場合も見かけるようになってきた。
ネット上でどう生きていくか、ネットをどう利用するかは、いろいろな形が出始めている。

現在、私が書いたネット上情報のほとんどについては、私だけしかID・パスワードを知らない。
記録はあるがきちんと伝えていないので、たぶん私だけしか管理できない。

「終活」の世界では、自分の死後にこのネット上の情報をどうやって消すか、消せるようにどうやってIDやパスワードを記録しておくか、等を考えるようアドバイスするのが基本だ。
ネット上情報を消すことを前提に、消さねばならないという前提に立ったアドバイスが多い。
私が書いたエンディングノートに関する本でもネット上情報の管理についてはほぼ同様の形で少しふれているが、本が出てから1年以上たつ。

日本でFacebookが急速に広まってからまだ4年。
これからさらにいろいろなものが出てくるだろうし、逆に消えていくかもしれない。
新しいルールができるかもしれない。

ネットとのつきあい方や関わり方がどんどん変わっていく今の時代に、ネット上の自分情報を消す必要があるのかどうかさえ、正直なところ今の私にはよくわからない。
個人的には、人によっていろいろな選択肢があっていいように思う。

ネット上にいつまで生きる? 
ネット上にいつまで生かす?

ちょっと前の常識は、すぐに非常識に変わるかもしれない。




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