2015年10月2日

川島なお美さんの夫、鎧塚さんの言葉、「 しいて言うなら 『なお美葬』です。」

9月24日、川島なお美さんが亡くなりました。
享年54歳。
私は同世代であるばかりか、お誕生日が1日違い(さそり座(^^;;)。
ご本人にはお会いしたことはありませが、私は勝手に近しい感覚があります。
ちなみに鎧塚さんには数年前に仕事でお会いしたことがあり、そのときに奥さまの川島なお美さんのことをとてもさりげなく語っておられた姿が印象的でした。

川島なお美はやっぱり川島なお美のままでした

川島なお美さんが結婚したのは48歳の時。2009年のことだ。
5歳年下のパティシエ、鎧塚さんとの結婚は「大人婚」と言われた。
自立した大人の男女の結婚、という強い印象がある。

その鎧塚さんが、

本日19時55分妻なお美が他界致しました
一週間前まで舞台を勤め、そして最後の最期まで女優として、女房として、人として全力で生を全う致しました。
なお美を支え応援して下さった皆様方には心より御礼申し上げます。
息を引き取るまで川島なお美はやっぱり川島なお美のままでした。
本当に立派でした。

と、9月24日にFacebookで投稿したという。
(日刊スポーツ)


私は、川島なお美と同世代。
同じ時代を生きてきた。
キラキラに若かったころにバブル時代の恩恵を受けた世代だ。
当時、川島なお美は女子大生キャラでチャラチャラキラキラしていた。
その彼女が、その後あまり売れなかった時期を経て、再び女優として開花したのは20年近く前のこと。
その後、ワインで有名になり、そして48歳で結婚。

私たちは、昔、25歳を過ぎれば売れ残りなどと揶揄される一方で、DINKS(ダブルインカムノーキッズ)と働くことを推奨もされた。
仕事に熱中し、リシングルや結婚しない女性が多い世代でもある。
衰えなど全く感じさせず、キラキラ輝いた48歳の結婚は、
同世代の独身女性たちにもたぶん勇気を与えた。

ただ、川島なお美はこの間ずっと、人知れずストイックに努力し続けていたと言う。

川島なお美さんは、結婚する時に
「あえて言うなら“3Dなし婚”です。妥協、打算、惰性なし」
と語っていたという報道があった。
出典)壮絶! 川島なお美さんが貫き通した「3Dなし」人生(朝日新聞出版


それが、夫の鎧塚さんに

息を引き取るまで川島なお美はやっぱり川島なお美のままでした。


とまで言わせることにつながったように思う。

亡くなる3時間前に片岡鶴太郎さんが病室を見舞ったそうだが、
川島さんは病床でもきれいにネイルをしていたという。(スポニチ
「最後まで女優として」の一つの表われでもある。

逝き方は生き方

僧侶の中下大樹さんが、
「人は生きるように逝く」とたびたび語っていた言葉を、今、改めて思い出す。
川島なお美さんの生き方そのままに旅立った、
彼女の生きざまそのものなのだ、
と感じさせた。
まさに「逝き方は生き方」。

そういう女性に、私は尊敬と驚愕を抱いてしまう。
そんなに人は凛々しくいられるものだろうか。
同世代の死を前にして、
私の最後の最期は、どうなるだろうかと思わずにはいられない。

今生きているように、そのまま出てしまうのだろう、きっと。
そら恐ろしくもある。

川島さんにかわいがられていたという西川史子さんは
女の人は、男の人を「立てる、褒める、甘える」のが大事、
とアドバイスされたと語っていたが(TBS「サンデージャポン」)、
川島さんご本人は凛々しくはあるだけでなく、本音のところで夫に甘えていたのだろうか。

心の中の故人と相談する

最近は自分らしい葬儀を、とよく言われる。
どんな葬儀にしたいかをエンディングノートに書いておきましょう、とも言われる。
家族葬が増えた背景には、葬儀を儀礼的なものではなく、本当に家族だけで見送ってほしいいから、という心理が働いているからだろう。

だけど、葬儀は誰のものなのか。何のためなのか。
故人のもの、遺族のもの・・・

夫である鎧塚俊彦さんのFacebookから。

「案内状がきていない人でも行っていいんですか?」
という問合せがたくさん来ております。
妻なお美と交流のあった方々全てに御案内状を送らせて頂く事が出来ず申し訳ございません。
御希望の方はどなた様でも私達と一緒になお美を見送って頂きたく願っております。
ファンの皆様用にも祭壇の外に拝礼所を設けます。
尚、ワイン葬という誤報がどこからか流れておりますが強いて言うなればなお美葬です。
独自のスタイルを作り上げた川島なお美最後の幕
心の中のなお美と相談しつつ
なお美ならきっとこうやったであろう最終幕を悶々と構築しております」

お経の代わりに音楽を流す音楽葬、映像を流すムービー葬など、個性的な葬儀が増えつつあると言われる。
こんな風にしてほしい、と希望を遺す人も多くなっているだろう。

生前からきちんと準備している葬儀が話題に上ることが多いけれど、
本人も遺族も何の準備もしていないけれど、遺族が心の中の故人と相談しながら構築する葬儀。
わずか6年の結婚生活とは言え、濃厚に話をし、深く通じ合っていた様子をうかがい知ることにもなり、悲しみを誘う。

鎧塚さんは、川島なお美さんが亡くなってから喪服を用意した、という報道も目にした。

家族葬が多くなっている今、今回は希望の方はどなたでも。
案内は行き届かないからFacebookで、という形だ。

今の時代の葬儀の進め方の一つを見た気がする。


その葬儀にうかがってきました。




弔辞や、司会の徳光さんの言葉を聞けば聞くほど、川島なお美が最後の最期まで川島なお美だったということに納得させられた。

写真は、会場の外に飾られていたもの。
私が着いたとき、大きな祭壇が飾られていた部屋は近しい方が中心ですでに満室で、別に用意された部屋に通されたのだが、その部屋の正面の壁いっぱいに白とピンクの花が飾られた中央に飾ってあった写真と同じ写真だった。
一人の写真ではないので、ここで遺影とは言えない。

ご冥福を心よりお祈り申し上げます。

葬儀の様子は別にこちらで。





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