2015年10月15日

私のルーツ、家族との関係 ~家系図を知ることで見えてくること~

エンディングノートに出てくる家系図のページは、相続に関係するところ。
だけど家系図はそんなことだけでなく、全く別な意味合いもあります。
それは、自分のルーツを探っていくということ。

家系図の専門家さんにお話を聞きました。
家系図は、親の人生、自分の人生に想いを馳せ、生きていることそのものを肯定できる。
人にはみんな物語がある
・・・そんなことを、強く感じさせてくれる時間になりました。


いざ!家系図を作りはじめる

毎月開催しているエンディングノート講座の10月は家系図がテーマ。
去年、相続がテーマだった回で、簡単な家系図を作成したことがあるが、
今回は少し趣が違う。
その場で自分の名前、自分の兄弟姉妹の名前、親の名前、祖父母の名前をフセンに書いて並べるところから始まった。

そこに書かれた人たちは、それぞれどこに住んでいたのか。
その人たちはそれぞれどんな仕事をし、どんな趣味を持っていたのか。
どんな体型で、例えばどんな髪質だったのか。
どんな性格で、どんなエピソードを知っているか。
どんな病歴があり、享年何歳で、死因は何だったのか。

そういうことを記憶を頼りに書いていく。
俯瞰してみると、そこに出てくる人の共通項が浮かび上がってきたり、
自分との類似性が見えてきたりする。
自分が今あるのはどんな人がいたからなのか・・・

家系図から広がる世界

家系図を作り始めることは、自分のことを知る作業でもあるのだ。
しかも、祖先を知ることで、自分とのつながりを確認し、その人の類似性、共通項から遺伝子を実感する。
連綿と流れる血、DNAを感じるのだ。

お話をしてくれた家系図の専門家さん、ファミリーヒストリー社代表の吉田富美子さんによれば、家系図にはたくさんの楽しみ方があると言う。
歴史上の人物と間接的につながっていたり、史実との関連を知ったり・・・。
戦死などは、まさに社会の動きに関わっていた証拠だ。

たくさんの楽しみ方が紹介されたが、
個人的には教育の場面での活用に興味を抱いた。
つまり、子どもが家族を知るという観点から、家系図を作るということ。
核家族化が進み、家族のつながりが希薄になってきたと言われる今の時代だからこそ、教育的観点から家系図を取り入れるのは面白いだろうと思った。
親子で家系図を作るワークショップも面白そうだ。

事実からしっかり作るなら戸籍

記憶から家系図を作るのではなく、事実から作るとしたら戸籍謄本だ。
親の前の祖父母、祖父母のその前の代、さらにその前の代・・・とどんどん上っていくと、家系図づくりのベースとなる素がわかってくる。
代変わりで地域が変わると、戸籍の取得もあちこちの自治体を追いかけていくことになる。

現在閲覧可能な戸籍でもっとも古いのは明治19年式なのだそうで、
それは80年保存。
2010年の戸籍法改正で150年保存に変更になったそうで、
2036年までに取得しておかないと、昔の戸籍は廃棄されてしまうかもしれないのだという。
古い戸籍は、地域によっては死んだ理由や死んだ場所が記載されているものもあるのだそうだ。

追いかけていけば江戸時代以前までさかのぼることもできるというから、
ロマンが広がる。

名字(苗字)と、家紋と、長く住んでいた場所

今回の講座に参加するにあたっては、
祖父母の名字(苗字)と、家紋と、長く住んでいた場所、を
あらかじめ確認してくることが宿題だった。
講座の中では、長く住んでいる地域から、参加者それぞれの名字(苗字)のルーツを探った資料が個別に配られ、講師から、参加者の地域の名字(苗字)の広がり具合、そこからどんなことが考察できるかについて紹介された。
さらに家紋との組み合わせで、それがどんどん絞り込まれていくのだと言う。

家系図で深まる家族の結び

今回の宿題のために、92歳の祖母としっかり話をしてきた参加者がいた。
今までに聞いたことがないような初めて知る話がいっぱいあったと言う。
聞けば、誰もが知る歴史上の人物の末裔らしい。
中でも驚いたのは、現存されている過去帳をその祖母が保管していたのだが、娘ばかりで家系が途絶えてしまうため、そろそろ焼こうと思っていたということ。
今回、講座の宿題のために話をしたことで、彼女に過去帳が引き継がれることになったのだと言う。

家系図は形だけど、その裏には物語がある。
実はその物語こそがきっと大事にしたいことであり、それによって子や孫に伝えていくべきこととは何かを考えることができるのではないか、と改めて感じる時間になった。







体験参加も受付中です。
 11月12日(木)18:30~


   自分と向き合うことはなかなか難しいもの。
   講師にお招きする今井さんは、お墓参りがその大きなきっかけになると言います。
   11月は、お墓をきっかけに、自分と向き合うことを考えます。


   会員制の継続講座ですが、初回は体験参加できます。
   体験参加費用;3,000円(消費税別)
   お申し込み、お問い合わせはこちらまで。